整形外科

脊椎疾患について

脊椎疾患について

脊椎とは背骨のことです。脊椎は頸椎(くび)、胸椎(せなか)、腰椎(こし)、仙椎・尾椎(おしり)に分かれています。ヒトは生まれたときはこれらの脊椎が全体として一つのカーブ(ちょうどアルファベットのCの字)を描いています。生後3か月程度で頸椎が前彎(前に向かって凸)になり首が座ります。続いて生後6か月程度で腰椎が前彎となりお座りが出来るようになります。すなわち、頸椎と腰椎が出生時とは逆カーブとなることで、立位、座位が可能となります。しかし、頸椎は頭部を、腰椎は体幹を支えねばならず、必然的に大きな負荷がかかることになります。このことが、頸椎、腰椎疾患が多くなる原因の一つです。

頸椎の病気としては、頸椎症性脊髄症、頸椎症性神経根症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靭帯骨化症などが代表的です。上下肢のしびれ、痛み、筋力低下、手の巧緻運動障害(こまかい作業ができなくなる)、歩行障害、膀胱直腸障害など多彩な症状が出現します。

腰椎の病気としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症などが代表的です。下肢のしびれ、痛み、筋力低下、歩行障害、膀胱直腸障害など下肢を中心に症状が出現します。胸椎にも同様にヘルニアや黄色靭帯骨化症、後縦靭帯骨化症などが出現しますが、前述のとおり頸椎、腰椎に比べると少数です。また、骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折、破裂骨折なども近年は増加傾向です。

手術について

脊椎脊髄疾患はすべてが手術ではありません。しかし、保存治療で改善が認められない場合や筋力低下、機能障害が顕著である場合には手術が必要となります。神経周辺の手術は実際に多くの危険が伴うことは事実です。そのため、手術の必要性と危険性を天秤にかけ、慎重に検討してから行うべきです。

当院では、疾患や病態、患者さまの希望などを考慮し手術方法を検討しております。脊椎の手術は前方、後方いずれのアプローチもあり、その大きさや難易度は様々です。神経除圧(神経の圧迫を取り除く)手術、インプラントを使用した固定術、またはその両方が手術の大部分を占めています。小切開による低侵襲手術も可能な場合には行っています。

頸椎~腰椎疾患

前方、後方アプローチによる固定術、椎弓切除術、椎弓形成術などを行っております。インプラントを併用する場合もあります。脊椎圧迫骨折にはバルーン椎体形成術(バルーンを使用しセメント注入を行います)やインプラントを使用した固定術などを行っております。また、慢性腰痛や下肢痛には脊髄電極埋め込み術(脊髄電気刺激療法)も行っております。

手術をお考えの患者様には、セカンドオピニオンも含めて、十分に対応させていただきます。千葉大学整形外科関連病院などと密に連携し、最適な手術、病院をご紹介することも可能です。

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