消化器内科

膵疾患

最近、食生活の欧米化、アルコール消費量の増加などにより、膵疾患患者さんの数は明らかに増加しており、今後さらに増えると考えられています。膵疾患の中で、特にアルコール摂取と深く関わっている急性膵炎や慢性膵炎は、重症化することもあるので早期に診断を下し、重症度を判断し、速やかに治療を開始することが大切です。当院では迅速な画像検査、血液検査による早期診断、初期治療を重視しています。さらに、仮性膵嚢胞などの様々な合併症にも内視鏡的、経皮的な手技を用いて対処しています。

一方、膵癌は悪性腫瘍の中でも予後の非常に悪いものの一つです。早期癌の段階では症状に乏しく、症状が出現し診断された時点で、すでに進行癌の状態であることが少なくありません。従って、できるだけ早期癌の段階で診断することが大切です。当院では腹部超音波、造影CT、MRI(MRCP)、血管造影、内視鏡的膵管造影、PET/CTなどの各種画像検査を駆使し、早期発見、早期診断に努めています。膵癌の治療は基本的には手術ですが、切除不能な例では全身化学療法(抗癌剤による治療)を施行しています。

また、膵癌による黄疸に対しては、内視鏡的あるいは経皮的に胆管ドレナージを行い、黄疸を軽減させることにより、患者さんのQOLの向上を計っています。さらに、膵癌の場合、強い疼痛を伴うことが多いために、安全性を確認しながら、積極的に鎮痛剤を用いることにより疼痛緩和、完全除痛を目標にしています。

担当:坂上 信行

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